2010/05/23

NHKラジオで栗原先生のお話① 「食べて治す 新しい食物アレルギー治療」

NHKラジオ第一「ラジオあさいちばん」
5/17(月)~21(金)AM5:38~46分放送より

「食べて治す 新しい食物アレルギー治療」
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  神奈川県立こども医療センター アレルギー科部長 栗原和幸先生
 
   ※ ラジオの内容はコチラからどうぞ~
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 上記ラジオ番組の内容がネットにアップされました。
 栗原先生のお話はとーーーってもわかりやすくて、
 最終日の「食物アレルギー治療の今後」の話は、
 ほほぅ~ へぇ~ とうなづく話が満載でした!
 時間がたつと消えてしまうので、テープを起こしました。
 まずは、最終日の内容から…

 
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 ■食物アレルギー治療の今後(5/21放送)

 数年前から食べて治すという治療を始めている。
 新しい治療に手ごたえを感じている。
 2007年に開始して、その成果はアレルギー関連の学会で繰り返し発表してきて
 かなり注目されているが、いま現在この治療をしているのは全国でまだ一桁。

 治療を開始できるように準備している施設は増えているので、
 今年は10~20くらいの施設でこの治療が始まるのはないかと期待している。
 

 ただ、まだ実験的な段階であって確立した治療とはいえない。
 いろいろな検証を重ねてよりよい実施方法を検討していくことが必要。

 標準的治療という意味では、日本小児アレルギー学会が作っている
 「食物アレルギー診療ガイドラインがある。

食物アレルギー診療ガイドライン (2005)食物アレルギー診療ガイドライン (2005)
(2005/12)
向山 徳子西間 三馨

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 今、食物アレルギー診療ガイドラインの2011年版の改定を行っている。
 そこに、この治療を取り込むという方針も決まっている。


(今後この治療法が普及していくための課題は?)

 いちばんの問題は、
 この治療は非常に手間がかかって医師がかかりきりで行うため、
 受け入れ人数に制限があること。
 この治療は入院して行う急速法以外に、
 家庭でゆっくり進めていくという方法もあり、
 実際にはこちらの方法でやっている患者さんのほうが多い。

 食物アレルギーの場合、
 どうしても危険だから除去を指導するという方針が一般には広まっているが、
 検査結果が陽性だというだけで除去食を指導されていて、
 実際にはそれほど厳密な除去が必要でない患者さんもいるのが実状。

 除去食を続けるのはかなり大変なことで、
 とくにお子さんが成長とともに活動性が広がってくると
 ますます除去食の負担が大きくなり生活全体に影響するようになる。

 実は私自身も20年ほど前、
 食物アレルギーがまだ社会一般に認知される前に
 食物アレルギーの子どもを育てるという経験をしている。

 当時は徹底した除去食を行ってかなり苦労した経緯もあって、
 これまで治療法のない食物アレルギーを
 少しでも改善したいと思ってやっている。

 先月、
 医師向けの本で「食べて治す食物アレルギー」という本を出版した。
 まだ時間はかかると思うが、
 基本的な考え方が少しずつ変わっていくことを期待している。

食べて治す食物アレルギー―特異的形口耐性誘導(SOTI)食べて治す食物アレルギー―特異的形口耐性誘導(SOTI)
(2010/04)
栗原 和幸

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(この治療法の注意点は?)

 この治療の話が断片的に伝わってしまい、
 「食べたほうがいい。食べたら治るよと言ってた」
 と広がっていくと非常に怖い面がある。

 食物アレルギーの患者さんが勝手に食べると
 非常に強い反応を起こすことがあるので、
 勝手な判断で食べてみるということは絶対にしないでほしい。
 必ず医師と相談の上で実施してもらいたいと思うし、
 問題が解決しないときには
 アレルギーの専門医を受診して相談してください。



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 栗原先生ご自身が、
 20年前にお子さんの食物アレルギーでご苦労なさった
 という話には、
 先生のこの治療に対する思いの原点を感じました。


 しかし、早朝のラジオ番組、
 いったい誰をターゲットにしてるんでしょうかねぇ~?
 早起きのじいじばあば世代が、嫁に最新治療を知らせるためか?
 アレっ子の弁当作るママに向けてのエールか?
 
 この放送を聴いたじいじ&ばあば世代が
 「ほら、食アレは食べて治すって言ってたぞ!
  食べさせないからいつまでも食べられないんだ。
  神経質にしすぎるから治らないんだ」
 …なんて会話につなげてしまいませんように。
 栗原先生が泣きますぞ

 

 ※ご参考
 神奈川県立こども医療センター・栗原先生小児アレルギー学会発表論文
 → 日本小児アレルギー学会2008「食べれば食物アレルギーは治る」

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