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2018/11/27

「食物アレルギーに対する急速経口免疫療法実施後の調査の結果」 (2018.10.22)

神奈川県立こども医療センター
ホームページより https://t.co/eXEvDUR4gZ

■ 「食物アレルギーに対する急速経口免疫療法実施後の調査の結果」(2018.10.22)

 平成29年11月14日に本HPにて公表いたしました有害事象の発生をうけ、当院が実施いたしました調査の結果がまとまりましたので報告いたします。調査は当院で本治療を受けたすべての患者様にアンケート用紙を送付し回答いただいたものです。
 調査の結果、本治療維持期においてアナフィラキシーによりアドレナリンを使用した件数を考えると、本治療の安全性について、継続して検討し取り組む必要があることが示唆されました。
 こども医療センターでは本調査結果を真摯に受け止め、本疾患の病態の解明及び安全性の確立に向けて、今後も取り組みを続けていく所存でございます。
 今回の事象を受け、当院でのこのような先進的医療への取り組みに対し、十分な時間をかけ、より安全に実施するための手順等の整備を行いました。私たちこども医療センターでは、今後も治療法のわからない病気や状態に対する新しい治療や生活の質の向上を目指した医療、医学の発展に貢献できるような研究にも取り組んでいくことを併せてご報告いたします。

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「食物アレルギーに対する急速経口免疫療法実施後の調査の結果(PDF)」はこちら


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添付の報告書を読みました。
報告には、今後の経口免疫療法を考えるうえで大切なことが、本当にたくさんつまっています。栗原先生のこの治療への想いも感じることができる貴重な報告です…。
心に留めておきたいところを備忘録として以下に記しておきたいと思います。

(以下、報告書から引用)

◎小児アレルギー患者はアレルギーマーチに従って次々とアレルギー症状を発症することが多く、本治療の症例も他のアレルギー疾患合併率が高率であっ た。

◎喘息コントロール不良例では食物ア レルギーの症状が重症化することが従来から指摘されており、喘息を十分にコントロールした上で治療を実施することは必須である。

◎当初は摂取量が多い方が耐性化をより良く誘導できると考えて、可能な範囲で増量を試みたが、近年は、特に誘発症状が多く認められる牛乳では維持量を減らし、安全に摂取できることを目指している。

減量、中止の理由は当然症状誘発があるが、それを上回る回答が「味が苦手」。乳幼児期から厳密に除去をして馴染みのない食品を成長してから摂取し始める難しさがあるようだが、明確な症状ではなくても粘膜の違和感などで「味が苦手」と表現して いる場合もありうる。

◎維持期にアナフィラキシーを経験する例が今回の調査で36.6%あり、牛乳18/40 (45%)、小麦6/15(40%)で高かった。退院後に家庭において摂取を継続する間にこれだけの症状が誘発されていることは、この治療の安全性について再検討を要する。

◎どのようなときに症状が誘発されるか、これまでの診療の場で、「摂取後の運動、疲労、感冒罹患、下痢、歯が抜けた後の摂取、空腹時の摂取」などが聞かれているが、実際には全く原因不明の場合が多い。なぜ反応性が急激に変動するか、消化管粘膜の問題も含めて今後の課題である。

(報告書からの引用ここまで)


いつもここでも書かせてもらっていますが、

→食物アレルギーの治療では、他のアレルギー症状をしっかり治療すること(とくに喘息)。
→維持量を減らして、症状を出さずに安全に摂取。
→アレルゲンをおいしく食べる。

ことの意味を再確認できる報告でした。


免疫療法(新聞・テレビ・講演)