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2018/05/27

【過去日記より】食物アレルギーの子どもの宿泊行事(9) 中学2年生 編(群馬県と静岡県へ)

この時期、宿泊行事に出かけるアレルギーっこも多いと思います。
過去日記で簡単にまとめたものがあるので2014年11月1日の日記を再アップします。

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※追記:持参した内服薬について※

アナフィラキシーの第1選択薬はエピネフリンです。
抗ヒスタミン薬は、じんましん程度の 生命の危険に影響のない症状でのみ用いる補助的治療薬です。また、ステロイドも効果がでるまでに4時間程度かかります。内服薬は、皮膚、粘膜症状には有効ですが、呼吸器、ショック症状の改善にはつながらないことを追記しておきます。
 →詳しくは過去日記 にあります。




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わが家の中2のアレルギーっ子。
小学校時代から数えて6回めの校外学習で、2泊3日、静岡県の伊豆半島へ行ってきました。

事前準備のポイントは3つ。

1) 緊急時対応 「消防署との連携」 …アレルギーが起こったときのため
2) 除去食対応 「宿泊先との連携」 …アレルギーを起こさないため
3)「学校との連携」 …先生との信頼関係は子どもの安心の基盤であり、いちばん身近な支援者

それぞれについて、具体的にどうしているか、自分の記録として残しておきたいとおもいます。


ir6_201405.gif 緊急時対応 「消防との連携」   kyuu3_201405.jpg
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宿泊先で除去食をお願いするのか、家から持参したものを食べるのか。
わたしの決め手は、救急搬送される病院に何分で到着できるのかが ひとつの目安です。

人のすることに絶対にミスがないとは言えませんから、どんなに相手が除去対応に慣れている様子であっても、救急病院までかなり時間がかかる場合は持参を考えます。(ドクターヘリは日の出から日没までしか飛べない)

まずはネットの地図で、宿泊先、最寄りの消防署、病院を確認。だいたいの位置関係を把握したところで、消防署に電話をしました。

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↑旅行に持参したもの。エピペン、内服、メプチン吸入、
  献立表、緊急時対応マニュアル(下記にリンクあり)


今年5月:群馬県水上町の場合…

・アナフィラキシー(An)の救急対応ができる病院まで何分で到着できるかを消防署に確認したところ、夜間は輪番制で日によって病院が変わるとのこと。具体的な日をあげて、当日の搬送病院名と距離を教えてもらうと、ある日の夜間救急は、車で60分かかることがわかりました。日中は30分の距離に病院があるようでした。

・また、救急救命士は1名必ず署内にいるようですが、「これまでAn児を搬送したことがない」と言われました。たまたま4月に期限の切れたエピペンをまだ持っていたので、全部あわせて4本持参したとしても、追加摂取のタイミングが不安…。ドクターヘリも飛べない日没後の夕食をどうするかを検討。

・消防署には、当日の日程表をFAXして、この日にエピペン持参の生徒がいることを署内で共有していただきたいとお願いしました。


今年10月:静岡県伊豆市天城の場合…

・ネットで調べたら、伊豆半島の三次救急の病院。半島つけ根の大学病院のみで、それ以南には三次救急はないよう。二次救急も30-40分のところで夜間は輪番制。

・ツイッターでつぶやいたら、ご実家が伊豆半島というアレママさんから丁寧なメールをいただく。その実態は…宿から最も近い地元の中心拠点となる病院のアレルギー診療が、完全に10年前の指導(血液検査の結果のみでずっと除去…など)。ここでボスミンを使うような処置は期待できるのか???40-50分かかるけど、伊豆半島唯一の三次救急の大学病院を第一搬送先にしたほうがよいのか。
   ↓
この現状を外来で主治医に相談したところ、ある程度の病院であればボスミンの処置ができないことはないので、近い病院に行くほうがよいとアドバイス。

・アレルギーっ子が泊まる宿の管轄消防署に電話。消防署⇒宿まで15~20分。そこからAnの処置ができる病院まで20-30分だって。うーむ…。1時間みたほうがよさそう。10年前のアレルギー診療をしている いちばん近い総合病院は、緊急時には なんとAn児は断られることもあるとか。

・電話を切って、救急隊の方から「さらに詳細を」と電話をもらった。署内で情報共有し、すぐに搬送できるようにと細かいヒアリング。田舎の救急隊の方はいい方が多いなー。地域の医療事情が追いつかないのが惜しい…


校外学習のたびに感じる地方の医療の現実。
地元のアレルギーっ子は、緊急時にどうしているのだろう…。

ir6_201405.gif 除去食対応 「宿泊先との連携」    etching01.gif 
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食事のことは、いったん学校が取り次いでくれた後は、直接 宿泊先と連絡を取り合って入れています。

・宿泊先には、除去対応の詳細な献立表をいただくことをお願い。

・担当の方から「卵のつなぎはOKですか?」との質問が。娘は免疫療法の治療で 現在 小麦も卵も食べていますが、つなぎはOKだけど半熟はダメ…などの中途半端な対応は誤食につながるリスクが大きいため、完全除去でお願いしました。

・2日目のハイキングは業者弁当です。が、山の中は病院から激しく遠いので、リスクを最小限にするために 塩むすびだけにしてもらいました。
 
・「他の生徒さんがパン朝食の日なんですが。お嬢さんには、ごはんとお味噌汁でもよいでしょうか」と申し訳なさそうに聞いてくださった担当の方でしたが、これまでもずっとそうしていること、みんなと同じことよりも安全を優先したいことをお伝えしました。
娘に「みんなは洋食、ぴろりんは和食でもいい?」と確認すると「そんなのぜんぜん平気。誰も見てないし」と。あっさりしたものです。

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ir6_201405.gif 「学校との連携」
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 東京都 緊急時マニュアル


・同行してくれる養護の先生と 東京都の「食物アレルギー緊急時対応マニュアル」を再度確認。
当日も印刷したものを持参してもらいます。同行の先生方で、エピペンを打つ練習もしてくださったそうです。

・ちなみに、娘本人とも、自分で打てるか再確認。(利き手でグーの手で持つ⇒持ってない手でキャップをはずす⇒太ももに当てる⇒ぐっと押して1.2.3.4.5⇒はずして、揉む)

・食事の配膳時には、食べる前に 除去メニュー表をみながら娘と確認。

先生にお願いしたのはそんな感じです。
私が直接やりとりした消防、宿泊先との内容は学校にも報告しています。娘の学校はとても理解があり、つねに子どもの気持ちを想ってくださる あたたかい先生たちの中でまいにち過ごせていることは、娘にとって人とちがう自分も肯定できる基盤になっていくでしょう。

先生方には、いつもほんとうに感謝しています。


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そんなこんなで、毎回、宿泊前にはバタバタとあちこちに電話を入れている ゆうこりん。一度の宿泊で、何人の方とお話しているでしょう…アレルギーのある娘が安心して旅行できるためには、たくさんの方々のご配慮とご協力があってのことなのだと痛感します。

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娘が小学校に入学したばかりの頃、アレルギーの先輩ママから 5年生の息子さんがレトルトや缶詰を全部リュックにしょって旅立ったという話を聞いて、娘の未来に重ねて泣けてしまったことがありました。

修学旅行に行ける日なんて来るんだろうか、旅行先で悲しい思いをするのではないかと不安ばかりでしたが、いざ行ってみたら、そのような心配は無用だったことがわかりました。

食べることよりも、お友だちと過ごしたたくさんのたのしい時間は、一生の思い出。帰りのバスでは、みんなで帰りたくなーいと泣いたそうです。夜中まで語りあい、ケンカしたり泣いたり笑ったりしながら深まる友情。この時期に出会う友だちは、一生の友だちです。よい仲間、よい先生方との出会いに感謝です。

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今回の娘の出発日、私は福岡に出張で不在でした。当日の朝、娘は自分でおにぎりを3つ作っていきました。

ハハは事前にやれるだけの準備をして出かけましたが、万が一は必ずあります。
そのとき子ども自身が、自分の体調の変化を早い段階でまわりにきちんと伝えることができれば、あとは大人たちの準備した流れの中でなんとかなると思っていました。

いつまでも親がそばについていられるわけではないから、自分で判断できることを増やしていかなければなりません。

エピペンを自分で打てるよう、主治医の講習を思い出しながら ときおり練習しつつ、まわりにSOSを伝えられることもアレっ子として必要な力だと思うのです。


毎回の行事が 娘にはちょっとした試練ですが、明るく乗り越えるスキルと、自分の体を自分で守るスキルを身につけてほしいなぁとおもっています。だって君は、これからもアレルギーとつきあっていくのだからね。これも自立に向けてのちいさな一歩です。


長々とおつきあいくださり、ありがとうございました。

 ※これまでの宿泊学習については、カテゴリー「アレルギーっ子の宿泊行事」でまとめています。


アレルギーっ子の宿泊行事